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それに、エルは"禁忌"についは何も触れなかった。
『"禁忌"って何の事なの?復讐って…、あの人は貴方のお祖父さんでしょ?何か事情があったんじゃないの?だって、あの時…』
影泪が"お祖父さん"と云った瞬間、エルの表情が変わった。
「あんたが何を知ってるって云うの!?どうせ、あたしの記憶を垣間見ただけでしょ!?」
エルは影泪の言葉を遮るように、怒りを露にした。
「あぁ…そうだ。あんたも"あの人"を恨む事になるでしょうね。あたしはお父様達を助けに"EDEN"に行く。そしたら、あんたはもうこの世界には戻れないんだから!」
エルは、嫌味を込めて云った。
『な…っ!?どう云う事よ!?』
エルは、それ以降何も話そうとはしなかった。
流威はと云うと、影泪とエルの会話を黙って聞いているだけだった。
『黙ってないで、何とか答えなさいよ!』
影泪が更に食い付くと、エルは一つ大きく溜息をついた。
「…あんた、五月蠅いよ。」
エルが静かにそう云うと、その瞬間、影泪の周りは闇に包まれ、そして、急激な眠気に襲われた。
『何?これ…。私を、完全に閉じ込める…つもり…?…眠っちゃ…駄…目…』
影泪の意識は、深い眠りへと堕ちて行った。
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