現実

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それから1時間後。降っていた雨も止み、再び江檜山市は静寂の闇へ包まれた。 機銃に被せたビニールを取り払い、友安は何度か時間を確認して見張り交代の時間を待っていた時だった。 「ん?」 室内の野辺が腑に落ちないといった感じの声を上げた。外通路にいた友安は室内へ。 「どうかしたのか?」 「いや、気のせいなら悪いんだけどさ」 野辺は前方。空を指差す。 「何か見えたぞ」 何かを確認する前に、友安は急いで室内の双眼鏡を手にした。
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