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『生存者がいたのか....』
兵士が放った言葉は母国語とは違い、古川には何を言っているか分からなかった。
「嘘だ....。あ、あんた、まさか米兵か?」
古川の脳裏を、二、三日前に聞いた『生物災害対策特措法』というワードが過ぎ去る。
助けと思えた大きな綱は亀裂を走らせながら断ち切られた。
「あ、あ....」
兵士はアサルトライフルを構え直す。古川は反射的に物陰に飛び込む。消音器で押し殺された銃声が鳴った。
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