1、『。』

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一瞬固まり、ハアーッと息を吐いた。 電話だ。 見なくてもわかっているのだが、一応、相手を確認した。 液晶には、「清水くん」と表示されていた。 (ああ、やっぱり) そう思いながら、私は、パタンと携帯電話を閉じ、静かにベンチの上に置き、また目をつむった。 出たくない。 それでも何も変わらないのはわかっている。 しかし携帯は、 ぶー、ぶー と、携帯電話は呻き続ける。 私はまた一つため息をつきながら通話ボタンを押した。 「…はい」 「先生!!…今、どちらにおられるのですか?」 煩い。 まず、そう思った。
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