1、『。』

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「そう…だったかな…」 「無駄ですよ、先生。惚けたって。」 「………」 私は何も言わなかった。 「書けないのは仕方がないです。誰にでもそんな時期はあります。でも、逃げるのは良くないです。」 私は、何も言えなかった。 「今日で三度目です。今日は帰りませんよ。早く帰って来て下さい。一度、練り直しましょう。」 「…わかった。」 かろうじて出た声だった。 「一時間だけ、待っててくれ…。」 私は電話を切り、そのまま携帯電話の電源を切った。
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