1、『。』

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またひとつ、はあっ、と、ため息をついた。 そう、私は逃げてきた。 書けない。 書けないんだ。 今まで私は何をしてきたんだ。 しかし考えても悩んでも、書けないものは書けない。 こればっかりは、どうしようもないことなのだ。 ふと、向かい側のベンチを見ると、(おそらくここに住んでいるであろう)老人と目が合った。
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