1、『。』

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「うん。目がまるで生きてなかったよ」 優しい笑顔で、結構厳しいことを言われた。 「ははは…。そうかもしれませんね」 「そうだよ。自分でそんなこと言うくらいだもん」 「そう…ですね…」 「そうだよ」 老人は、懐から酒ビンを取り出して、それに口を付けた。 「呑むか?」 と、老人は言ってくれた。 「ありがとう。でも、まだやることがあるんです」 「何もしてない奴が何をやるって言うんだ」 はっはっは、と、老人は笑った。 否定したかった。 しかし、何と言うべきか、何と言えばいいのか、わからなかった。
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