夢の徴

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ここはどこだろう。 満天の星空と、赤に染まったまん丸い月が2つ。 辺りには鼻を突く錆び付いた鉄の臭いが充満していた。 地面には赤黒い染みが広がっていて――――。 木々がざわめく音に混じって雫の滴る音。その音とともに染みはどんどん広がっていく。 この染みはなんだろう。 涙? わたしは泣いている。涙は止まることなく溢れ出てくる。 けれど……涙だけでこんなに染みは広がるだろうか。
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