3.親友と憩いと本心

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本屋までは、服を買った店からたいして離れていない。 三人で楽しく話ながら歩いている間、美咲からいろんなことを教えてもらえた。 由美と美咲が通ってる学校の場所。 由美の食べ物の好き嫌い。 普段学校でどんな立場なのかとか、 二人がどうやって知り合ったか、など 俊一の一番の収穫としては……由美は首筋をくすぐられるのが弱点というネタである。 チャンスがあれば試してみるかな…。 「由美は首筋をくすぐるのが弱いからね、襲う時はそこを狙うといいよ」 「よし、暴走した時の緊急停止に使わせてもらうよ」 「ダ、ダメ。俊一にやられたら欲情しちゃうかも……」 可愛くぎゅっと俊一の腕にしがみつく由美。 頼むから、せっかく見つけた弱点の使用をためらわせるようなことを言わないでくれ。 青空を見上げて、俊一は使おうか考えた。 うん、無理かもしれない。 美咲が来たかった本屋は、二階建のそこそこ広い店だった。 とは言っても本を売っているのは一階のみで、二階は文房具店とも言えるだろう。 「俊一、読書の秋だよ」 「今は春だぞ?」 店に入るなり、由美が変なことを言っていたが、適当に流しておくかな……。
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