3.親友と憩いと本心

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とりあえず美咲の読みたい本も見つかり、レジを通したら三人は本屋をあとにした。 ま、もともと長居する気も無かったから別にいいけどね。 「ねぇ俊一、スプーン曲がらないよ?」 今もなお銀食器のスプーンという強敵相手に、悪戦苦闘している由美が助けを求めきた。 それ以前に本気でグニャリと曲がるとでも思ってるのか? もしそうなら俺は冷静に脳外科か精神科を勧めるけど……。 「由美、諦めたらそこで試合終了だぞ」 「やれやれ、かわいい女の子を励ます言葉がそれですか……。ふぅ、困ったものです」 おいっ!いい加減その微笑スマイル野郎から離れろ! 「さてと、二人ともボクの用事に付き合ってくれてありがとね」 頃合いを見計らっていたのか、本を抱えた美咲が話に介入してきた。 読みたい本を見つけたからか、表情からして嬉しそうだ。 「ん?ああ、構わないさ。こっちも暇だったしな」 ポケットに入れてる筈のブラックカードを無くしてないか、さり気なく確かめながら俊一は返事をした。 国家予算並に入ってるらしい金を、ポロッと落としたりでもしたら一大事である。 よし大丈夫、無くしてないな……。
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