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「あれ?美咲帰っちゃうの?」
ごそごそとスプーンをスカートのポケットにしまいながら、由美が美咲を呼び止める。
今どきのお嬢様は、ポケットにスプーンを忍ばせているのが普通なのか?
んなワケ無いよな。
「これ以上ボクがデートの邪魔してちゃ悪いしね」
美咲は遠慮がちに言ってるが、俊一からしてみれば美咲がいてくれてもノープロブレムである。
むしろ由美が暴走した時の対処法を使ってもらえるから、一緒に来てくれると助かるんだが……。
「もし美咲が暇なら、三人でどこか遊びに行かないか?」
「…………」
俊一の意見に由美は不満らしいが、親友とも言える美咲の前で怒るに怒れないようだ。
ちょっと強めに、俊一の腕にしがみつくのが精一杯の反抗だろう。
「ん~確かに暇だけど、ボクがいたらデートの邪魔じゃない?」
やはり美咲も由美の気持ちを察しているのか、消極的な返事だった。
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