3.親友と憩いと本心

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「久しぶりですマスター。元気にしてましたか?」 この店を経営している通称マスターは、当然だが俊一よりも目上の男性である。 口元に髭を蓄えた温厚な彼は、まるで紳士とも言える雰囲気を纏っている。 「まぁ僕も亜季も相変わらずだよ……ふふ、どうやら俊一くんには彼女ができたのかな?」 俊一の後ろにいる由美と美咲を見たマスターは、からかうようにクスリと笑った。 「私は彼女じゃなくて愛人だけどね」 「もしかして…ボクも彼女に見られてるのかな?」 「うん。美咲はとにかく、由美…頼むから自重してくれ」 カウンターの席に三人が座ると、マスターがミルクティーをサービスしてくれた。 「女の子達はオアシスに来るのは初めてだよね。 これは僕からのプレゼントだよ」 俊一の時もそうだったが、マスターは初めて来た客には決まってミルクティーを無料でサービスするのだ。 あ、ちなみにオアシスってのは店の名前ね。 さらについでに言うと、マスターの入れるミルクティーは格別においしい。
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