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おいしそうにミルクティーを飲む由美と美咲に満足したマスターは、改めて俊一の方に振り向いた。
「俊一くんは今日はバイトが休みなのかな?」
おっと、マスターは俺の生活が激変したことを知らないんだよな。
とりあえず、マスターにはバイトでお世話になったから、ことの経緯を説明することに……。
「ふむ、なるほどね。じゃあ俊一くんは金持ちの養子になったんだ」
「俊一くんも大変だね」
一通り話したものの、マスターは驚くこともなく聞いていてくれた。
「まぁ、こうしてかろうじて生きているからな」
説明に疲れ、一息ついていたら、隣に座っている由美がふと話し掛けてきた。
「俊一、私ちょっと空腹かも……」
ワイシャツの裾を軽く引っ張りながら話す由美。
うん、俺の中のしみじみした雰囲気ぶち壊しだよ。
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