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美咲の一言で、今日はお開きとなったのである。
「今日は楽しかったよ。また遊ぼうね」
ワタリを呼んで家まで送っていくと由美が言ったのだが、美咲はそれを断り早足で帰ってしまった。
「全く美咲ってば、そんなに買った本が気になるのかな?」
「さぁ?どうだろな」
美咲とも別れ、由美がポケットから携帯を取出してワタリに連絡を入れると、10秒もしないうちにリムジンの迎えがやってきた。
俊一と由美を乗せると、リムジンは静かに出発して、車窓の景色が流れはじめる。
「俊一今日は楽しかった?」
「あぁ、3500ビットくらい楽しかったな」
「ビット……?」
口に出して言ってないが、正直に言えば楽しかった。
普段からバイトばかりだったから、こうして誰かと遊ぶことも全然無かったからある意味新鮮だった。
もちろんこんな生活をくれた一ノ瀬家には感謝しているし、由美自身の好意も嬉しいと思ってる。
それでも、やっぱり……
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