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「俊一はやっぱり前の両親が気になるの?」
「…………………」
いいえと答えれば、それは嘘になるだろう。
前の両親と急に別れ、全く知らない家の養子にされたんだから気にならないはずが無い。
倉凪家の両親も気になるけど、それ以上に今後の自分自身にも不安を感じる。
「ねぇ、そんな不安そうにしないで」
「えっ?」
「気付いてなかったの?
俊一、今にも泣きそうな顔してる」
由美が心配そうに見上げてくる。
俺はそんなに泣きそうな顔してたのか?
ふと自分の顔を触るような仕草をしようとしたら、それを止めるように由美がそっと動いた。
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