3.親友と憩いと本心

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    家に帰るまでがデート。 その言葉通り、屋敷の玄関前まで由美は腕を組んで歩くと言ってきた。 一ノ瀬家の敷地内だったから、他人の目を気にして恥ずかしがる心配も無かったため、普通に了承してあげた。 さほど長い距離を歩くわけではない。 目と鼻の先の屋敷までという短い道のりだ。 玄関前まで由美はずっと腕にしがみ付き、離さないと言わんばかりだった。 「由美、そろそろ離れろ」 「ん?うん」 『嫌だ』とか『あとちょっと』とか言うかと思っていたが、由美は案外素直に言うことを聞いてくれた。 するりと由美が離れるのを確認し、俊一は屋敷の扉を開ける。 玄関の扉は大きいのに、開けるときの重さは感じさせず軽く開いた。 「会いたかったよ弟く~ん!!」 「なっ!月姉!?」 扉を開けると同時に、月奈がものすごく嬉しそうに走って…… 「えーん、さみしかったよぉ~」 「ちょ…待ったぁあギャー!!」 そのまま俊一を押し倒すようにダイブしてきました。 はい、突然押し倒してきたおかげで受け身も取れず、腰を強打して痛いです。 「俊一大丈夫?」 由美お嬢様。心配してくれるのは嬉しいけどこの状況のどこが大丈夫なんですか? できれば助けてください。
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