・プロローグ・

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ちなみに、俺が幼い頃に両親に働かない理由を聞いた結果…… 父さんからは…… 「俺は何かに縛られるのは嫌なんだ、自由ほど素晴らしいことはない」 と、無駄にカッコいい台詞を吐かれ…… 母さんから…… 「私ね、働いたら負けだと思ってるの、私はそんなに小さな器じゃないわ」 などと、大人の道徳を根本から否定するような事を聞かされた思い出がある。 「………俺も就職とか、そろそろ考えないとな」 俺は中3まで義務教育を受けて、高校には行かずに中学の友人よりも一足先に社会に出て働くことを選んだ。 いわゆる中卒というヤツだな。 「good-bye俺の高校ライフ」 青空を見上げ、一人静かに切ない別れを呟く。 この時の俺は、今の生活が何一つ変わらないと無意識に思い込んでいた───
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