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「やあ由美、せっかくの休日にこんなとこで何してるの?」
「私は買い物だけど……美咲こそ何しに来たの?」
話し方がなんとなくボーイッシュな子だな。
一人称はボクだと予想してみるか……。
重てぇ荷物を地面に置き、話をぼんやり聞きながら俊一は考える。
「ん?ボクは暇だったから本でも買おうと思って来たんだよ」
よっしゃ正解!
つーか、女の子が男子のように『ボク』って言うのはどうなんだ?
まぁ個人の勝手だから別にいいけどさ。
「ところで由美、隣にいる金髪でF〇のクラ〇ドみたいな彼は誰?」
美咲と呼ばれてる彼女が俊一の方へ話を振ってきた。
っと、俺の自己紹介をしてなかったな。
これじゃあジェントルメンとして失格だぜ。
「ゴメン、紹介が遅れた。この美男子は俊一。私の彼氏だよ」
「オイコラ由美。さらっと普通に嘘つくなよ」
「えっ?彼氏!?」
違います。
違うから信じないでください。
うん、でもまぁ、由美よりはよっぽどまともな人みたいだ。
俊一は直感でそう思った。
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