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「俺は一ノ瀬俊一。一ノ瀬家の養子で、由美とは兄妹になる」
由美の友達の彼女に、ジェントルメンな対応で初対面の挨拶をする。
「これからよろしく。えっと……」
「美咲……ボクは佐倉美咲(サクラ ミサキ)、由美とは小さい頃からの幼なじみなんだ。よろしくね♪」
握手を求めて差し出された彼女の小さな手。
それを握り返したところで、俊一にふとした疑問が思い浮かんだ。
やっぱ由美の幼なじみってことは、この人もお嬢様なのか?
「あの…佐倉さんも由美と同じで上流階級のお嬢様ですか?」
「え?ボクは別に金持ちのお嬢様なんかじゃないよ、そこら辺の一般庶民だってば」
あははと楽しそうに笑いながら、美咲はそう答えてくれた。
「それと、ボクのことは美咲って名前で呼んでいいよ。ファミリーネームにはあまり馴染みが無いからね、俊一くん♪」
出会っていきなり名前で呼ぶのか……。
この様子だと敬語とかも嫌ってそうだな。
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