3.親友と憩いと本心

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「俺は一ノ瀬俊一。一ノ瀬家の養子で、由美とは兄妹になる」 由美の友達の彼女に、ジェントルメンな対応で初対面の挨拶をする。 「これからよろしく。えっと……」 「美咲……ボクは佐倉美咲(サクラ ミサキ)、由美とは小さい頃からの幼なじみなんだ。よろしくね♪」 握手を求めて差し出された彼女の小さな手。 それを握り返したところで、俊一にふとした疑問が思い浮かんだ。 やっぱ由美の幼なじみってことは、この人もお嬢様なのか? 「あの…佐倉さんも由美と同じで上流階級のお嬢様ですか?」 「え?ボクは別に金持ちのお嬢様なんかじゃないよ、そこら辺の一般庶民だってば」 あははと楽しそうに笑いながら、美咲はそう答えてくれた。 「それと、ボクのことは美咲って名前で呼んでいいよ。ファミリーネームにはあまり馴染みが無いからね、俊一くん♪」 出会っていきなり名前で呼ぶのか……。 この様子だと敬語とかも嫌ってそうだな。
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