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第五章
-デートの終わりに-
「いってー。」
「まだ痛む?平気?」
強く打ちつけた腰を亮はさすりながら歩き、その隣で奏が心配気についていく。
「大丈夫だ。取り敢えずな。」
「医者行った方が…」
「そこまでじゃねぇよ。安心しろ。
にしても、中学生のタックルでひっくり返るなんてな。案外力あるもんだなぁ」
感心してる場合じゃないでしょ。と奏は少し呆れながら溜め息を小さく吐き、それでも笑う。
ショウタの兄、リョウとは中学生だったのだ。
そして、その人が亮にタックルをかました張本人。それは見事なタックルだった。
『この人浚い!!』
『『えぇ!?』』
そう言われた時にはどうなるかと思ったが、和解出来た。
それも翔大のおかげだ。
まぁ大の男二人で小さな男の子を泣かしてしまって、それを大きな声で押さえつけようとしている感じるの図をみたらそう思ってしまっても仕方がない。
特に兄ならば。
「本当に誤解がとけて良かった。」
「だな。」
もしかしたら、あのまま警察を呼ばれていたかもしれないと思うと寒気がした。
いくら自分が悪いことをしていなくて、無実で善人な市民だとしても。
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