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お巡りさんに疑われるのは本当に間違っても勘弁していただきたい。
「まっ、それよりちゃんと見つかって良かったじゃねぇか。」
「そうだね。」
確かにそれが何よりだ。
亮はリョウ兄弟と別れた時の事を思い出す。
『本当に、ごめんなさい。それとありがとう御座いました。』
ぺこりと頭を下げる兄。
『いや、気にすんなよ。』
『はい、じゃあ僕達はこれで…翔大行くぞ。』
『うん!!』
兄についていく弟。
手を振り見送る二人。
『 ありがと、にいちゃ!ばいばい! 』
満面の笑み。
「ほんと、良かった。」
たったその一言で、タックルの痛みも一時忘れたくらいだ。
時間と言えば、そろそろ7時になろうと言うところ。
ここは亮の地元だった。
少し腰を打った亮が心配で奏はここまでついてきてしまったのだ。
「あ、俺の家ここ。」
目の前は亮の自宅。
普通の一般的な一軒家。
それをまじまじ見てる奏の顔はなんだか嬉しそうなように思える。
「ここが亮さんの家か。」
「おぅ。少し寄ってかないか?茶ぐらい出すぞ。てか夕飯とか…」
「あ、いや、俺はここまでにしとく。」
せっかくの申し出を奏は断った。
こういうのに誘ったら必ず来ると思っていた亮は意外と思ってしまい、それが丁度口に出てしまう。
慌てて取り繕うと笑われた。
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