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「いやッ…だ、だがな!!」
どもる亮。どうやら、[恋人]と言う枠組みが邪魔をしているようだ。
「流石に3ヶ月もデートしないっていうのは記録的だと思うんだけど…」
「うっ…!」
「俺、結構待ったと思うから。だからもう引かない。」
言葉に詰まる。
……付き合い始めて3ヶ月…それに間違いはない。
互いに親密度が増し、奏はだんだん敬語の使わないようになってきた。
それなのにも関わらず、まだきちんとしたデートの一つもしていない。
それもまた間違いない。
確かに記録的だ。
学校帰りに飲食したり、ゲームセンターに行ったりはした事がある。
だが、丸一日を使って学校もない日に会うなんてやった事がない。
結局夏休みは部活やら何ならで学校でしか会ってないのが現状だ。
奏はそうじゃなくて、学校なんて関係無く、亮に会いたかった。
遊びに行くのではなく、デートに生きたかった。
強気の目に逃げられないと思う。
亮もわかっているのだ。
初デートもしていない交際歴3ヶ月がおかしい事。
友人である麻門にも[有り得ない]と大判を押されている。
亮は観念した。
「わかったよ。」
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