デート? NO,NO 初デート

7/14
前へ
/14ページ
次へ
第四章 -デートのハプニング- その後もデートは順調だった。 奏はかれこれ9ヶ月ほど亮と共に過ごしている。 好きなものや嫌いなものは把握していたので、当たり前と言ったら当たり前だ。 だが、人生時として順調だけでは終わらない。 「にいちゃ?」 時刻は午後5時24分。 そろそろ帰ろうと、良い雰囲気で別れの言葉を交わしていた時だった…。 亮はシャツの後ろを引っ張られて振り向く、そこには4歳くらいだろうか…大きめの野球帽子を被った子供が居た。 二人は驚く。 迷子だろうか…? 「!」 男の子は亮の顔を見ると悲しそうな表情に。 どうやら人違いに気付いたらしい。 おずおずと下がる男の子に亮はすぐさま目線を合わせ、聞いた。 「どーした?兄ちゃんとはぐれちまったのか?」 その問い掛けは優しいもので、男の子もコクリと首を縦に振る。 「そうかー。お前、名前は?」 「しょーた…。」 「ショウタ、だな。よし!ショウタ、一緒に兄ちゃん探すか。」 「亮さん」 面倒見が良い亮らしい行動。 なんの躊躇もなく、手を差し伸べる。 その行為に奏はまた亮を好きになった。 「つなわけだ。じゃあな、奏。」
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加