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デート? NO,NO 初デート
第一章
-デートのお誘い-
「ねぇ、亮さん。」
それはテスト期間中の事だ。
この学校はやはり学業重視の学校なので、現在部活は休みとなっている。
「ん、どうした?」
付き合い始めて二度目の定期テスト。
前回はまだ一緒に居るのが恥ずかしい事もあったけれど、夏休みを経て、付き合い始めて3ヶ月。
奏が付き合う前より自分に近くても、何かに集中出来ない、という事は無くなっていた。
「デート、しよう。丸一日全部潰して」
パキッ…、今まで順調に仕事を続けていたシャーペンの芯が呆気なく折れた。
慣れたはずなのに、唐突な申し出に亮は真っ赤になって食い付いた。
「デ、デ、デートってお前ッ!!俺とお前二人で出掛けるって事か!?男同士で!?」
「そう。」
楽しそうに笑む奏。きっと亮の反応が予想通りだったからだろう。
やっぱ、可愛い人だ…なんて感じ入りながら頬杖をつく。
その一連の流れも逐一綺麗で、亮の鼓動は更に速度を上げた。
大体、男二人で遊びに行くなんて珍しい事もないだろう。
世の中、男同士で遊ぶ人間なんて沢山居るはずだ。
その人達が全員恋人同士か?
答えはNOに決まっている。そんな風に考えていたら迷惑だし、失礼だろう。
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