ある夏の日

2/2
前へ
/10ページ
次へ
僕は久々に連休が取れた。ここの所、毎日が仕事に追われていて休みもほとんどなかった。 だからせっかく取れた休みをどうしたらいいか迷い、ふと一人で少し遠方まで足を運んでみようと考えた。『たまには蔵王にでも行ってみるかなぁ~?』 山形と宮城にまたがる蔵王は昔何度か足を運んだ事があった。一度は樹氷の時期にぶつかり、山一面が氷で覆われた絶景に立ち合えた事もあった。 今は季節が夏だから樹氷は見れないけど、あの山の上で遠くを眺めていれば、都会の窮屈した日常を一瞬でも忘れさせてくれるのではないか…。 勝手にそんなことを思い、僕は車に二日間分の着替えだけを押し込んで、車のエンジンを駆けた。 ただ、なぜかわからないけど妙な胸騒ぎを感じていた……。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加