強敵(とも)

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信号が青に変った。 スタートはほぼ同時だった! …いつもバトルは突然だ。 出会い、眼が合った時が始まりの合図だ… 奴はスポーツタイプ、なかなかの強敵で戦績は十勝十負のタイだ。 俺は最短距離を、奴は障害の少ない外側を一気に行く作戦だ。 俺はじりじり奴を引き離し始め (今日はイケるぞ!) と更にスピードをあげた …とその時、前方から自転車が!! 黒い服を着た三人組が連なってきた。 「くっ❗ジェットストリームアタックかぁ⁉」 辛うじて一台目と二台目を避けたものの、三台目に足を止められた。 奴を勝利を確信したのか、振り返りながらニヤリと笑った 「…やられた」 油断である。笑みを浮かべ奴が前を向いた瞬間! 目の前に迫るオバサン。 「ぅわあぁぁぁ❗」 オバサンとクラッシュしてしまった。 勝負は非情なものである。 歩行者信号が点滅から赤に変わる頃に奴は渡り終え、すりむいた腕を庇いながら歩き去った。 「あばょ…」 俺は新たな強敵を求め歩きだした。
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