2人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
風の冷たい三月の夜、ビルの屋上にいた。
満天の星空、街の光、足元に連なる車のライト
男はフェンスの向こうにいた。
「落ちたら死んじゃうよ」
「そうだろうね」
「ぢゃこっち来なよ」
「知ってるかい?人を殺すのに凶器はいらないんだ…ただ退屈を与えればいい…」
「でも…」
言いかけた俺を残し、男は視界から消えた
下を覗くと黒いシミが見える。
彼の行動で周りの人は非日常を味わい、退屈どころではないだろう…
皮肉なものだ。
最初のコメントを投稿しよう!