恋した瞬間

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真っ黒な瞳と 真っ黒な髪の可愛い少女。 僕の知らない言葉を喋る彼女。 言葉が通じないせいか 彼女はいつも一人だった。 「せんせーどうしてあのこは僕達の知らない言葉を話すの~?」 幼稚園児の素朴な疑問。 「ああ、誠ちゃんね。誠ちゃんはね、大樹君達の知らない遠くの国で暮らしてたの。大樹君達と同じ言葉が話せないの。だから大樹君、誠ちゃんと一緒に遊んで言葉を教えてあげて」 「は~い!」 何も抵抗はなかった。 一人で砂場で お城を作っていた彼女。 「一緒に遊ぼう?」 手を差し出した。 彼女はにっこり微笑んだ。 この瞬間、 俺は恋に 落ちたのかもしれない。
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