シゴノセカイ

10/15
前へ
/444ページ
次へ
恭一は上半身を乗り出して、正面に座る男の話を聞いた。     「ところが年々、人々の心からは善意、人を思いやる心、優しさがなくなっていった」     初老の男性は正面、つまり青年の方をまばたきをせずに見つめる。     「数十年前、50パーセントあった天国行きの割合は年々減っていき、ついには1パーセントを切るまでに落ち込んだ」     恭一はゴクリとつばを飲む。     「どうなったと思う?」
/444ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2631人が本棚に入れています
本棚に追加