シゴノセカイ

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「どうなったんですか?」     「地獄はいっぱいになってしまった」     辺りを静寂が包む。     恭一には話が突飛すぎて、なんと応えればよいのか判らない。     「そこで、だ」     身を乗り出して聴いている恭一に、初老の男性は顔を近づけて静かに言った。     「不合格者の中から追試をせざるを得なくなった。入りきれないんだよ、地獄に」     初老の男性はため息をついた。
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