天国がいっぱい

追試（１）親への愛

「何って、朝飯だよ。食うだろ？」

宇佐美は台所から持ってきたもの――お盆にのせた朝食を足の低いテーブルに乗せた。

「しばらくこのアパートで、一緒に暮らすことになる。あ、メシは任せとけ。これでも料理人だったんだ」

宇佐美は人懐っこい笑顔を見せる。

恭一はその笑顔につられて愛想笑いをしてみる。

「はは。…あの試験は？」