追試(1)親への愛

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「やはり試験官ともなるとそれなりの格好いい帽子が欲しいじゃないか」     宇佐美はベレー帽を被り、鏡をのぞきこみながら言った。     「…僕、帰ります」     恭一はクルッと背を向けて大股で歩き出した。     「あ、おい、ちょっと待ってくれよ恭一君!」     ベレー帽を投げ捨て、宇佐美は慌てて恭一の後を追った。
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