追試(1)親への愛

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あまり綺麗とは言えないアパートの一室。     その女性は、男を玄関に見送ろうとしている。     まだ30歳前後と思われるが、派手な化粧とセンスのない服装のせいか、あまり若くは見えない。     「ねえ、次はいつ来る?」     「あ? わかんねえ、連絡するよ」     男は答えるのも面倒、という感じでそそくさと玄関を出ていった。     女はその扱いにもう慣れてしまっている様子で、悲しさとあきらめの表情を浮かべた。
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