クロ宅にて…

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それからクロは毎日イコアと裏通りで過ごしていた。 「いいか、クロ、猫を描く時はまず目を見るんだ。猫の目は何かしら語っている。それを見付けてから描いていく。」 今日はクロの美術の先生としてイコアはクロに猫の描き方を教えていた。 「・・・・。」 クロは目の前に立っている黒猫の目をじっと見つめていた、 が… 「知るかぁぁぁ!!」 持っていたスケッチブックと鉛筆を放り投げ壁にもたれ、息をふーっと長く吐いた。 イコアはスケッチブックと鉛筆を拾い、 「まぁ最初はこんなもんだ、慣れてくると…」 イコアは凄い速さで黒猫を描いた。 「こんなもんだ」 するとクロが急に立ち上がり、 「あっ!俺父さんに今日は早く帰って来いって言われてたんだ!ごめん、イコア、今日はもう帰るわ。じゃあまたね。」 「おう。また明日な。」 今日はいつもより早めに二人は別れた。 また明日、なんて来ないとは知らず…
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