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次の日、今日はクロの学校の登校日だ。
クロの家は二階建ての豪邸、父親がある大手航空会社の社長であり、クロは何不自由なく幸せに暮らしていた。
(あ~~朝か、起きなかんけど、超眠い。毎日昼起きじゃ駄目だな…)
クロが窓から差し込む朝日にいやしさを感じていると、ドアを二回ノックし、メイド服を着た女性が三人クロの部屋へ入って来た。
「クロ!朝ですよ!ほらっ起きた起きた!」
長い金髪をポニーテールで束ねたメイドがそういいながらクロのシーツを奪い、クロの顔をぺちぺちと二、三回軽く叩いた。
「分かったわ!うるさいな~…ふわぁ、ナユ、今何時?」
ナユと呼ばれた金髪ポニーテールのメイドは時計を見て、
「七時三十五分ですよ。これから光で動かないと遅刻ですよ。」
ナユがにやけながらクロに告げる。
その瞬間クロが青ざめ、
「ナユ!お前メイドならもっと早く起こせよ!バーカ!ユアミ、ナユリカ、朝食は!?制服は!?」
ユアミと呼ばれた黒髪のショートヘアーのメイドが下に用意してありますと告げた。
ナユリカと呼ばれた赤縁眼鏡を掛けた三人の中で一番若そうなミディアムロングのメイドが制服をクロに無言で差し出した。
クロはありがとうとナユリカから制服を受け取り着替えた。
そして階段を素早く駆け下り、朝食のスープを一気に、お茶を飲んだら食パンをくわえ、カバンを持って家を出た。
クロが通っている学校は国でも有名なお金持ち学校であり、体育錬と文化錬に別れていて、クロは文化錬に属している。
七時五十五分、校内に聞き慣れた鐘の音が響き渡る。
クロのクラスは文化錬中等部 三年 二組、クラスごとに生徒が約四十人で九クラス編成。
教室にはクロ以外の生徒が全員いた。
鐘が鳴り、全員が自分の席に座った。
黒板から見て、右から三番目の列の五番目の席とその左斜め後ろの席がまだ空いていた。
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