1人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
出会い
黒猫は裏路地に逃げ込んだ。空腹と痛みでもうその場から動けなくなった。するとそこに足音が近づいてきた。黒猫はまた石を投げられると思って身構えた。その足音は黒猫の前で止まった。黒猫の前には一人の男が立っていた。
「君は僕に似てるね。」
そういって男は黒猫を抱き上げた。黒猫は必死でその腕の中から抜け出しまた走り出した。
生まれて初めての優しさが怖くて、信じられなくて、ひたすら孤独への道へ走った。
それでもその男は付いて来た。傷だらけの黒猫に逃げ切るだけの体力はなかった。
最初のコメントを投稿しよう!