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窓から入る太陽の光が廊下を照らしている。廊下には兵士の姿は見当たらなかった。全員二階に行ったのか?
サラマンドラの火は一階の西の方へ進んでいる。兵士達の食堂を過ぎ、倉庫を過ぎてもまだ進んでいる。
「え!二階に上がるのか?」
火が答えるわけはないがオレは思わずそう聞いてしまった。
二階には兵士がいるのに?
火はそんなことは関係ないという様に階段を上って行った。
オレも警戒しながら階段を登って行く。
二階も一階同様豪華だ。廊下には高級そうな絵画や家具が置かれている。
火は二階の中央に進んで行き大きな扉の前で消えてしまった。
「ここか……」
オレは扉を開けて中に入った。
中はかなり広く豪華なシャンデリア、ピアノが置いてある。パーティー会場みたいだな。そして、色鮮やかなドレスに身を包んだ様々な年代の女性達がいる。
床に座って空を眺めている者もいれば髪の毛をいじったりしている。オレの姿を何人か見る者もいたが兵士だからかすぐに目を逸らした。
人身売買をするような奴だって聞いたけど、牢に繋いで逃げられないようにしてる訳でもないしドレスまで着させるのか。
それに見張りもいなかったし、この人達も逃げようと思えば逃げられるはずだ。
何か仕掛けがあるのか?それとも逃げられない理由でも?
オレが考え事をしていると後ろの扉が開く音がした。
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