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「え!?そんな……」
「冗談だ」
「な、なんだよ。脅かすなよ」
「でも、似たようなもんだ。見て分かるだろうが生気がないだろ?多分、たちの悪い魔法にでもかけられてるんだろうな」
「何とかならないのかよ」
「魔法を解く方法は色々あるが、手っ取り早いのはこの魔法をかけた術者を倒すか……」
オレは手のひらに微力の魔力を集中させ、心の中で謝りイルの顔を叩いた。
「ちょっとした刺激を脳に与えてやれば良い。まあ、かけられていた魔法自体が弱かったからだが……」
オレが言い終わるや否や頬に激痛が走った。
「なにすんだよ!」
「イルを殴った罰だ」
「おいおい、感謝される覚えはあっても殴られる覚えはないぞ。ほら、イルを見てみろ」
ウィルはオレの言うとおりイルを見た。イルは少しぼーっとしていたがだんだん顔に生気が満ちあふれてきた。
「お兄ちゃん?」
「イル!」
ウィルはイルに駆け寄り泣きながらイルを抱き締めた。
「感動の再会に水を差して悪いが、ちょっといいか?」
ウィルは不機嫌な顔をしたがオレは気にせずイルに話しかけた。
「イル、ここに来てからの事覚えてるか?」
イルはオレを警戒していたがウィルが事情を説明し、お礼を述べた後、オレの質問に答えた。
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