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「泥棒!!泥棒だよ!!誰か捕まえて!」
うるせえなぁ……、こっちは魚を品定めしてるっていうのに
ふーん、最近の魚は脂ののりが悪いな
「きゃあっ!」
「おい、あいつ女の子を人質にとったぞ!」
「あいつまだ子供じゃないか?」
なんだ?野菜売り場に人が集まってんな、もしかしていい野菜が入荷したのか?そういうことなら早く行かないと!
「お客さん!!何も買わないのかい!?」
「また今度な!」
オレは店の親父にそう言うと野菜売り場の方に向かった
「うわ!すげぇ混んでるな」
オレは人込みを分けて何とか列の一番前に出た
ん?なんだあいつ?ローブをあんなに深く着て暑くないのか?
ま、オレには関係ないな。さっさと野菜買って帰るとするか
オレはサイフを片手に野菜売り場の方に歩いて行くと後ろが急にうるさくなった
オレが歩いて行くとローブを着て女の子の首筋に鋭利な刃物をむけている奴が何か叫んでいる
「こっちに来るな!」
「誰もお前のとこに来ねぇよ。オレは野菜に用があるんだ、どいてくれねぇか?」
「うるさい!そう言って捕まえる気だろ!ダマされないぞ!」
「おいおい、オレは嘘つかないことだけが取り柄みたいな人間だぜ?」
「黙れ!」
ハァ、めんどくさい。野菜も見たところめぼしい物はないし……
「あー、分かった帰るから……」
「セイル!早くそいつを捕まえておくれ!」
ん?あの太った体系でまさしく肝っ玉母さんという表現が似合う女の人は……まさかフェリシアさんのとこから盗んだのか?
こいつバカだなー、この都市のなかの三大権力者の一人なのに
「フェリシアさん無茶言うなよ。こいつ刃物持ってんだぞ」
「あんたならそんな奴簡単だろ?」
フェリシアさんの言葉が奴の神経を逆撫でしたらしく包丁を握り締めてオレに切りかかってきた
ったく……、今日はめんどくさい日だな
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