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「ああ、セイル!無事だったのかい」
入って来たのはフェリシアさんと食い逃げをした二人組だった。オレは食い逃げの二人に鋭い視線をぶつける。
「セイル、早くここを出るんだよ!じゃないとあんた殺されるよ」
「その二人を追って来た奴等か?ならもう倒したぜ?」
「何?」
カリムがオレに挑むように言う。
「嘘をつくな。エルフ族の上級魔術師をお前ごときが……」
「おやおや、オレに助けてもらった奴の言う台詞じゃないな」
「なんだと?」
「そうだろ?オレが魔法紋を消したから、あんたらは逃げれた。オレが追っ手を倒したからもう安心だ。つまりオレが助けた。そういえば二人、武装した男が来たはずだが倒したのか?」
オレの質問にフェリシアさんが答える。
「ああ、マリーがね。ちょいとやり過ぎて二人共、今気絶しているよ」
ああ、マリーか。あいつならやりかねないな。冷静なように見えて意外とやり過ぎるところがあるもんな。
「アルフィナ様、こいつは……」
「ええ、やはり……」
二人組は、まだフードを被り素顔は見せない。何やら男を見て話し合っているが、オレ達には聞こえない。
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