繁盛への第一歩

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「セイル、この二人はあんたに任せるけどいいね?」 「良いわけないだろ?なんでそんな厄介事に巻き込まれないといけないんだ。だいたいオレにメリットが無い」 「なら、メリットがあればいいのかい?」 「え?」 「なら、そうだね。この店を作る時に貸した借金を全部無かったことにしてあげるよ」 「え!いいのか?」 「ああ、いいさ。それじゃわたしは仕事があるから帰るけど任せて良いね?」 オレが頷くとフェリシアさんは笑い、店から出て行った。 あれ?何か上手く丸め込まれたぞ。フェリシアさんの方が損得の駆け引きを知ってるな。オレはとりあえず二人の方を見る。 「なあ、一応任されたんだけど……」 「ええ、わたしは良いと思います」 「姫!」 姫?オレは気になったがとりあえず、話を進めた。 「まあ、とりあえず二人共フードを脱いで顔を見せろ。顔が見たい」 二人はオレの言う通りにフードを取る。やはり、二人共エルフだったか。追っ手がエルフだからもしやとは思ったが。 「カリムだ」 「お前ダークエルフだったのか」 「そうだ」
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