繁盛への第一歩

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エルファイナ?確かあそこは…… 「あらゆる種族が生活するこの都市は、エルフがいても問題無いですし隠れるのには適していますから。それに母がここを選んだのはセイルさん、あなたがいたからだと思います」 アルフィナの言葉にカリムは驚く。 「どういう事ですか?」 「母はわたしをどこに隠れさせたらいいか悩んでいました。悩んだ末に母は、魔法薬の予知夢薬を飲み、わたしの未来を見たのです。そして、この都市で食の仕事に就いている人物がわたしと共にいる夢を見たそうです。母の良く知る人物が……」 カリムは驚きの顔でオレを見る。オレも昔の友人を思い出しながらアルフィナと姿を重ねた。なるほど、似ていると思ったぜ。 「アルフィナ、エルファイナの王であり、お前の母であるエルフの名はアルビナだな?」 「はい、母の友であり同じ英雄であるセイルさん」 「アルビナはそこまで教えたのか?」 アルフィナは頷いた。まあ、この二人を納得させるために言ったのだろう。アルビナはバカじゃない。懐かしいな、あいつに子供がいたのは初耳だが……。
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