繁盛への第一歩

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「友達の子供を守るのか。責任重大だな、分かった、儀式までの間お前の身柄はオレが保証する。フェリシアさんとアルビナの頼みなら断わる理由がないからな」 「よろしくお願いします」 アルフィナとカリムは同時に頭を下げる。カリムもエルフの王の友であるオレを信用することにしたようだ。 「さて、ネール。エプロンの予備はあったか?」 「はい、ありますが?」 「持ってきてくれ」 オレがそう言うと、ネールはエプロンを二着持って来た。オレはそれを取り、二人に渡す。二人は不思議そうな顔をして顔を見合わせる。 「えーと、セイルさんこれは?」 「何って、これからここにしばらく住むんだろ?」 「はい」 「だから働いてもらうんだ」 「え!」 「お前ら二人の生活費をまかなう余裕なんてこっちは無いからな。アルバイトとしてここにいる間は働いてもらう。もし、さぼったり、働きが足りなかったら飯抜きだからな」 「わ、分かりました」 「承知した」 オレはニッコリ笑うとネールに言う。 「ネール、接客のやり方をアルフィナに教えてくれ。完璧にな」 「分かりました、お任せを!」 オレはカリムの方を見る。
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