繁盛への第一歩

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「だったらイルもお金払うからここに住みたい。いいよね?」 「え!いや、待てイル」 「家賃いくらだ?」 「おい、ウィル。お前オレが言った事忘れたのか?」 「だからちゃんと金払うから、甘えてるわけじゃないぞ?」 「ここは、宿じゃないぞ。料理店だ」 「じゃあ、休みの日はお店手伝うから」 オレが答えに戸惑っていると、騒ぎを聞いてネールとアルフィナもやって来た。 「ネールからも何とか言ってくれ」 「ベッドが足りません、寝床を確保しないといけませんな」 そう言うとネールは二階に上って行った。 「楽しそうですね、セイルさん」 「な、良いだろ?セイル」 「セイルお兄ちゃん、お願い」 「分かった、分かったから。全員まとめて面倒見てやる!」 「やった!」 「ありがと、セイルお兄ちゃん!」 「楽しくなりそうですね」 はぁ、まったく。オレは子供のお守をするのが仕事じゃないんだぞ。オレは納得いかなかったが、ウィル達は大喜びしている。くくく、朝はあんなにうるさかった雨の音が今はまったく聞こえないな。
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