貴族の勝手

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「ふわぁ……。ん!もうこんな時間か」 オレは起きて毛布をたたみ、背伸びをする。窓から差し込む朝日が眩しい。 「セイル様、おはようございます」 ネールがグラスを拭きながらオレに言う。早起きだな、ネールは。 「おはよう」 「良く眠れましたか?」 「ああ、最初は寝にくかったが、さすがに一か月も床で寝ていると慣れたな」 「すみません、ベッドは四つしか用意出来ませんでしたので」 「いいさ、金をたくさん稼いで買えば良いんだから」 オレは横に寝ているカリムを見た。カリムは心地良さそうとまではいかないが、それでも普通に眠っている。エルファイナからここまできたんだからな、途中の野宿で慣れているんだろう。 オレは眠気を覚ますために二階の洗面場に行った。冷たい水を手にためて顔を洗う。顔を洗い終えると、一階に降りて朝食の準備をする。 食料庫から材料をだし、フライパンに火をかける。今日はホットケーキを作るか、ソーセージもいいな。オレが料理を作っていると匂いにつれられてか、カリムが起きて来た。
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