貴族の勝手

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「起きたのか」 「ああ、良い匂いがしたもんで」 オレは笑いながら、ホットケーキを作る。 「何か手伝おうか?」 「そうだな、じゃあ、ソーセージを焼いてくれ」 「分かった」 カリムは食料庫からソーセージを出し、フライパンで焼き始めた。カリム達が働き始めてから一か月、店にもだんだん客が入り順調に売上を伸ばしていった。カリムはオレ程じゃないが、料理が上手い。料理の下ごしらえなんかもやってくれて、かなり助かっている。 「カリム、オレはいつまであんた達を保護すればいいんだ?」 「そういえばまだ言ってなかったか、儀式は秋に行われる。今は春だから約六か月といったところだ」 「長いな、アルフィナは寂しくないだろうか」 「あれでも四十年生きている、大丈夫だろう」 「四十年生きているといっても、エルフの中では子供の方だろう?人間だと十六ぐらいだ、オレもだがカリムも目を離すなよ。この都市は良い奴ばかりじゃないからな」 「承知している」 「なら、いいけどさ」 オレ達が料理を作っていると、ウィルとイルが入ってきた。
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