貴族の勝手

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「おう、セイル」 「おはよう、セイルお兄ちゃん」 「おはよう。ウィル、イル、今日は休みだろ?もっとゆっくりねてていいんだぜ?」 「今日は店の手伝いだろ?」 「休日ぐらい休んで良いって言ってるだろ?」 「別に休んでもどう過ごしていいか分かんないんだよ。それに良い匂いで目が覚めて腹ぺこなんだ」 オレはやれやれと思いながらもウィルの心意気に感心した。それにしても、休日の過ごし方を知らないのか。今度休みをとって教えやろう。 オレは出来たホットケーキを皿に乗せる。ウィルとイルはそれをテーブルに運んで行く。 「だいたい出来たな、カリム、オレ達も食うか」 オレとカリムは店の椅子に座り、朝食をとる。ウィルとイルはもう食べていて、ネールは全員の飲み物を準備している。オレはホットケーキを食べ、週刊紙を読む。 魚の値下げ、泥棒……、大した事は起きてないな。オレは裏面の記事を読む。貴族のペットが逃げた……。ん?男二人が死亡、犯人は逃亡か。物騒だな、どうせ盗賊ギルドの仕業だろ。 オレはホットケーキを頬張りながら、ネールに聞く。 「ネール、アルフィナはまだ寝てるのか?」 「いえ、アルフィナ様には卵と牛乳を取りに行ってもらいました。そういえば遅いですね」
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