貴族の勝手

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開店の準備が整い、店の札がオープンに変わる。店は開店したが、今の時間帯はまだ暇な方だ。しばらくはゆっくり出来るだろう。 イルとアルフィナはおしゃべりを楽しんでいるし、ウィルはネールと話している。ウィルはイルが最近、自分に頼らなくなってきたのを少し寂しがっているからな。ネールに相談しているんだろう。 オレとカリムが料理の下ごしらえを続けていると店の扉が開く音がした。 「いらっしゃいませ、三名様ですね?こちらにどうぞ」 アルフィナの声が厨房にも聞こえてくる。アルフィナはいつの間にか、この店の看板娘になっている。客の内、アルフィナ目当てで来る客も少なくない。エルフは美の種族とも言われていて、その美貌から他種族からも高い位置に位置付けされている。その王の娘だぜ?魅力的な存在というには充分だろ。 「アルフィナちゃん、今日も可愛いね」 「ありがとうございます、ご注文は何になさいますか?」 「コーヒーとトーストを三つ。遅くなっても構わないから」 「かしこまりました」 アルフィナは厨房に来て注文を言い渡す。
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