貴族の勝手

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次から次へと注文が運ばれ、料理が客の元へと運ばれて行く。だが明らかに料理が追いつかない。この調子だと客を待たせる事になるな。誰か雇おうか?それともウィルに料理でも教えようか? 「カリム、二人だとこの客の量はキツいか?」 「いや、大丈夫だろう」 「そうか」 「どうした?誰か雇うつもりだったのか?二十人程度の客ぐらい二人でどうにか出来ないようならこの店の先行きは暗闇だな」 「ああ、そうだな。だがいずれにしてももう一人、料理担当が必要になるな」 「何を言っている?今話聞いて無かったのか?」 「そうじゃない、お前とアルフィナはいずれいなくなるからな。お前達に負けないような戦力を今のうちに鍛えておかないと」 「なるほど、先を見越しての考えか。確かに一理ある」 「そうだろ?問題は誰にするかだが」 「ウィルはどうだ?」 「オレもそう思ったが、フレンツィオで働いているから毎日というわけにはいかないだろ?」 「ふむ、そうだな」 「お二人とも、口だけでなく手も動かして下され!」 ネールの一喝にオレとカリムは会話をやめ料理を作ることに集中する。
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