貴族の勝手

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カリムもさすがにアルフィナのお願いを断わることは出来ず、ウィル達と一緒に行くことを承諾した。 「行ってらっしゃい」 「行ってきまーす」 何だか子を見送る父親みたいだな。さしずめアルフィナが母親でネールが祖父……あれ?じゃあカリムはなんだ?お兄ちゃんて顔でもないよな。 ウィル達が出かけた後も何人か客は来たが、忙しくはなく夕方になってきた。オレはカウンターで魔法の本を読みながら暇を潰して客を待っている。 「ウィル様達、遅いですな」 ネールが心配そうに外を見て言う。 「気にするな、この都市は広いからな。もしかしたら何かに熱中して、時間が経つのも忘れてるのかもしれないし、大丈夫だろ」 「しかし……」 「ネールは過保護だな。大丈夫だって、カリムもついてるんだし。ネールはカリムを信用してないのか?」 「いえ、そういうわけでは」 「なら、心配する必要はないだろ」 「分かりました」 ネールはまだ心配そうだったが何も言わなかった。オレは本を再び読み始める。
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